ここまででGitリポジトリの作成とコミットの方法を学びました。
次は、ローカルリポジトリの変更をリモートリポジトリにプッシュする方法を学びましょう。
リモートリポジトリとは?
リモートリポジトリとは、インターネット上に存在するGitリポジトリのことです。
リモートリポジトリは、複数の開発者が共有して使用するための場所であり、GitHubやGitLabなどのサービスが提供しています。
今回はGitHubを使用してリモートリポジトリを作成し、ローカルリポジトリの変更をプッシュする方法を学びます。
GitHubのアカウントを作成しよう
GitHubのアカウントをまだ作成していない場合は、GitHubの公式サイトからアカウントを作成してください。
GitHubは有料のプランもありますが、個人での使用やオープンソースプロジェクトの管理には無料プランで十分です。
無料のプランでアカウントを作成しましょう。
GitHubの認証を設定しよう
GitHubのアカウントを作成したら、GitHubの認証を設定します。
ここからGitHubのリモートリポジトリにアクセスするための認証情報を設定します。
あなたのアカウントのリポジトリに、他の誰かがアクセスして不正に取得したり、変更されたりしたら大変ですよね?
皆さんが普段使っているサービスのログインと同じような処理をしていきます。
Homebrewを使ってGitHub CLIをインストールする
GitHub CLIを使うと、コマンドラインからGitHubの操作ができるようになります。
Homebrewを使ってGitHub CLIをインストールしましょう。
まずはHomebrewがインストールされているか確認します。
ターミナルで次のコマンドを実行してください。
brew --version
次のようにバージョン番号が表示されれば、Homebrewはすでにインストールされています。
Homebrew 3.6.0
もしHomebrewがインストールされていない場合は、次のコマンドを実行してインストールしてください。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
Homebrewのインストールが完了したら、次のコマンドを実行してGitHub CLIをインストールします。
brew install gh
GitHub CLIのインストールが完了したら、次のコマンドを実行してGitHubにログインします。
gh auth login
次のようなプロンプトが表示されるので、GitHubを選択してください。
? Where do you use GitHub? [Use arrows to move, type to filter]
GitHub.comOther
次にProtocolを選択するのですが、GitHub CLIはHTTPSを使用することをおすすめします。
? What is your preferred protocol for Git operations on this host? [Use arrows to move, type to filter]HTTPSSSH
次にログイン方法を聞かれます。Login with a web browser
を選択してブラウザでログインしましょう。
? How would you like to authenticate GitHub CLI? [Use arrows to move, type to filter]Login with a web browserPaste an authentication token
もう一度Enterを押すと、ブラウザが開いてGitHubのログイン画面が表示されます。
ターミナルに表示されているコードをコピーして、ブラウザのログイン画面に貼り付けて認証を完了します。
これでGitHub CLIの認証が完了しました。
これでローカルリポジトリからリモートリポジトリにプッシュする準備が整いました。
リモートリポジトリを作成しよう
GitHubにログインしたら、リモートリポジトリを作成します。
画面右上の「+」アイコンをクリックし、「New repository」を選択します。
リポジトリですが、複数のリポジトリを作成することができます。
ひとつのアカウントは複数のリポジトリを持つことができて、アカウントごとにリポジトリを管理できます。
リモートリポジトリの設定
リポジトリを作成したら、リモートリポジトリの設定を行います。
次の画面に遷移します。
2つのオプションが表示されます。
...or create a new repository on the command line
は、コマンドラインから新しいリポジトリを作成するための手順を示しています。
...or push an existing repository from the command line
は、既存のローカルリポジトリをリモートリポジトリにプッシュするための手順を示しています。
今回はすでにローカルリポジトリが存在するので、
...or push an existing repository from the command line
の手順を実行します。
コピーボタンをクリックして、表示されているコマンドをコピーします。
ここではgithubのユーザー名がihatov08
、リポジトリ名がgit-practice
であることを前提に、コマンドをひとつひとつ説明、実行していきます。
リモートリポジトリのURLを設定する
次のコマンドではリモートリポジトリのURLを設定しています。
git remote addコマンドを使用して、リモートリポジトリの名前とURLを指定します。
add
の次に指定しているorigin
は、リモートリポジトリの名前です。
origin
は原点や起点を意味し、デフォルトで使用されるリモートリポジトリの名前として一般的に使用されます。
たとえばgithub
など別の名前を指定することもできますが、慣習的にorigin
がよく使われます。
git remote add origin https://github.com/ihatov08/git-practice.git
ブランチ名をmain
に変更する
git branch -M main
は、ローカルリポジトリのブランチ名をmain
に変更するコマンドです。
Gitにはブランチという機能があります。この機能については後ほど詳しく学びますが、ここではリモートリポジトリのデフォルトブランチ名をmain
に設定するために使用します。
git branch -M main
リモートリポジトリにプッシュする
次のコマンドでは、ローカルリポジトリの変更をリモートリポジトリにプッシュしています。
-u
オプションは、今後のプッシュやプル操作でデフォルトのリモートブランチを設定するために使用します。
これにより、次回以降はgit push
やgit pull
コマンドを実行するだけで、リモートリポジトリにプッシュやプルができるようになります。
git push -u origin main
次のようなメッセージが表示されれば、リモートリポジトリへのプッシュは成功です。
git push -u origin mainEnumerating objects: 6, done.Counting objects: 100% (6/6), done.Delta compression using up to 16 threadsCompressing objects: 100% (3/3), done.Writing objects: 100% (6/6), 526 bytes | 526.00 KiB/s, done.Total 6 (delta 0), reused 0 (delta 0), pack-reused 0To https://github.com/ihatov08/git-practice.git * [new branch] main -> mainBranch 'main' set up to track remote branch 'main' from 'origin'.
リモートリポジトリの確認
リモートリポジトリにプッシュが成功したら、GitHubのウェブサイトでリモートリポジトリを確認しましょう。
※ihatov08/git-practiceは、皆さんのGitHubアカウントに置き換えてください。
https://github.com/ihatov08/git-practice
次のような画面が表示されれば、リモートリポジトリの作成とプッシュは成功です。